Macaron Marriage
エピローグ
萌音と翔は家を出ると、手を繋いでチャペルを目指して階段を昇り始める。テラコッタ色の建物が夕焼けに染まり、更に暖かみを増していく。
チャペル前の広場に到着すると、二人はゆっくり海が見える柵の方へと歩き出した。
「キレイ……」
寄せては返す波が、夕陽を浴びてキラキラと輝いている。昼間とは違った景色に、萌音はうっとりと見惚れた。
「夜もすごくキレイなんだ。また後で一緒に来よう」
翔がそう言うと、萌音は返事の代わりに彼に寄りかかる。
「俺たちが出会ったあの日、ここの視察に来ていたんだ」
「じゃああの頃はまだここはなかったの?」
「そう。広い原っぱみたいなところでさ、俺にとっては絶好の遊び場だったよ。その時に高台にある萌音の家が目に入って、気になって見に行ったんだ。そうしたら窓から顔を出してる萌音を見つけて、つい声をかけちゃった」
「じゃあ私が偶然空を見ていなかったら、話してもいなかったんだ。不思議……」
翔は萌音の肩に手を回して抱き寄せると、ふと何かを思い出したかのように空を見上げた。
「実は萌音にまだ言ってないこと一つだけあるんだけど……知りたい?」
「……な、内容による……」
「あはは! 大丈夫、変なことじゃないよ」
「……本当? じゃあ知りたいかも……」
翔は萌音の体に腕を回して抱きしめた。それから頬を緩めながら萌音の額に口づける。
チャペル前の広場に到着すると、二人はゆっくり海が見える柵の方へと歩き出した。
「キレイ……」
寄せては返す波が、夕陽を浴びてキラキラと輝いている。昼間とは違った景色に、萌音はうっとりと見惚れた。
「夜もすごくキレイなんだ。また後で一緒に来よう」
翔がそう言うと、萌音は返事の代わりに彼に寄りかかる。
「俺たちが出会ったあの日、ここの視察に来ていたんだ」
「じゃああの頃はまだここはなかったの?」
「そう。広い原っぱみたいなところでさ、俺にとっては絶好の遊び場だったよ。その時に高台にある萌音の家が目に入って、気になって見に行ったんだ。そうしたら窓から顔を出してる萌音を見つけて、つい声をかけちゃった」
「じゃあ私が偶然空を見ていなかったら、話してもいなかったんだ。不思議……」
翔は萌音の肩に手を回して抱き寄せると、ふと何かを思い出したかのように空を見上げた。
「実は萌音にまだ言ってないこと一つだけあるんだけど……知りたい?」
「……な、内容による……」
「あはは! 大丈夫、変なことじゃないよ」
「……本当? じゃあ知りたいかも……」
翔は萌音の体に腕を回して抱きしめた。それから頬を緩めながら萌音の額に口づける。