Macaron Marriage
「じゃあ……スイちゃんがいいな……」
「了解。僕は……そうだな、ロミオくんにしようかな。ちょうど今の感じ、ロミオとジュリエットっぽくない?」
「……そうなの? よくわからない」
「あはは! スイちゃんは素直だなぁ。まぁいいや。ここは君の別荘なの?」
「うん、両親の。年に何回か来てる。あなたは? 地元の人?」
「んー、旅行で来てるんだ。でも弟がもう寝ちゃったから暇でさ。散歩してたら、この別荘の明かりがついていたから偵察に来たんだ」
「偵察?」
「こんな大きな別荘だし、どんな人が住んでいるのかなぁって気になってさ。そうしたら君が空を眺めているのが見えたから、気になって声をかけたんだよね」
なんて軽やかな話ぶりかしら……萌音は思わず感心する。今のところ、不快な気分になることは全くなかった。
「でも、こんな時間に出歩いたりして、ご両親は心配したりしない?」
「大丈夫。近くを散歩するって言ってあるし。これでも中三だしね。スイちゃんは? 見た目はすごく大人っぽいよね」
萌音は急に恥ずかしくなる。そうか、こちらからは影になって見えないけど、向こうからはしっかり見えているんだ! しかも三つも年上だったなんて!
いや、わからないわ……もしかしたら中三だって口にしているだけの三十歳かもしれないじゃない! やっぱりそんな簡単に信用しちゃダメよ……!
「な、内緒です……」
「じゃあ僕の予想、ズバリ小学六年生!」
ピンポイントで当てられたものだから、萌音は驚きを隠せず口をぱくぱくさせる。
「な、何で……!」
「ああ、やっぱり。カマかけたのもあるけど、なんかそんな気がしたんだ」
「い、意味がわかりません……何の根拠もないのに……」
「その反応。中学生にしてはちょっと幼い気がしただけ」
「……あなた本当に中三?」
「疑うの? まぁ別にいいけど。ねぇ、さっきって空見てたの?」
さっきと言われ、萌音は声をかけられた瞬間のことを思い出す。それから思い出したように空を見上げた。変わらず多くの星々が頭上から明るい光を降らせていた。
「了解。僕は……そうだな、ロミオくんにしようかな。ちょうど今の感じ、ロミオとジュリエットっぽくない?」
「……そうなの? よくわからない」
「あはは! スイちゃんは素直だなぁ。まぁいいや。ここは君の別荘なの?」
「うん、両親の。年に何回か来てる。あなたは? 地元の人?」
「んー、旅行で来てるんだ。でも弟がもう寝ちゃったから暇でさ。散歩してたら、この別荘の明かりがついていたから偵察に来たんだ」
「偵察?」
「こんな大きな別荘だし、どんな人が住んでいるのかなぁって気になってさ。そうしたら君が空を眺めているのが見えたから、気になって声をかけたんだよね」
なんて軽やかな話ぶりかしら……萌音は思わず感心する。今のところ、不快な気分になることは全くなかった。
「でも、こんな時間に出歩いたりして、ご両親は心配したりしない?」
「大丈夫。近くを散歩するって言ってあるし。これでも中三だしね。スイちゃんは? 見た目はすごく大人っぽいよね」
萌音は急に恥ずかしくなる。そうか、こちらからは影になって見えないけど、向こうからはしっかり見えているんだ! しかも三つも年上だったなんて!
いや、わからないわ……もしかしたら中三だって口にしているだけの三十歳かもしれないじゃない! やっぱりそんな簡単に信用しちゃダメよ……!
「な、内緒です……」
「じゃあ僕の予想、ズバリ小学六年生!」
ピンポイントで当てられたものだから、萌音は驚きを隠せず口をぱくぱくさせる。
「な、何で……!」
「ああ、やっぱり。カマかけたのもあるけど、なんかそんな気がしたんだ」
「い、意味がわかりません……何の根拠もないのに……」
「その反応。中学生にしてはちょっと幼い気がしただけ」
「……あなた本当に中三?」
「疑うの? まぁ別にいいけど。ねぇ、さっきって空見てたの?」
さっきと言われ、萌音は声をかけられた瞬間のことを思い出す。それから思い出したように空を見上げた。変わらず多くの星々が頭上から明るい光を降らせていた。