Macaron Marriage

「星が好きなの?」

 そう問いかけられ、萌音は首を縦に振る。

「キラキラしたものが好きなの。だから星も好き。だってこんな星空、東京じゃ見られないもの」
「うん、確かにね。僕もここの星空が大好きなんだ。東京にいたら見ることの出来ないものが、ここならこんなに美しくて輝いていて、手が届くような気がする」
「わかる! その気持ち! 私もそう思ってたの!」

 突然萌音が大きな声を出したため、少年はくすくす笑いだす。その瞬間ら萌音は恥ずかしくなって両手で口を押さえた。

「ごめんごめん! 違うんだ。なんだか僕たち似たもの同士だなぁって思ったらさ、楽しくなってきただけ」
「……本当にそれだけ?」
「もちろん。スイちゃんは星座の話とか知ってる?」
「あまり良くは知らない」
「スイちゃん、何座?」
「……秘密」

 徹底的に自分のことを隠そうとする萌音に、少年は笑い声を上げるだけで、それ以上追求しようとはせず、スッと空を指差した。
< 5 / 130 >

この作品をシェア

pagetop