彼女は僕を見てくれない
「ここテスト出るからなーしっかり板書取っとけよ」

そう言って先生が教室から出るとすぐに、

「陽向!!昼飯!今日は久しぶりに屋上でも行こうぜ!」

光の速さ並に弁当を持った尚輝が僕の所に来た。

ん?お弁当…??

「なお、今日弁当なの?」

「ん?あー!そうそう!実はさぁ、ゆいちゃんが今朝『これ…作ったから』って!俺に手作りのお弁当くれたんだよー」

満面の笑みを浮かべて報告してくる尚輝に、

「ゆいちゃんってあの幼なじみの可愛い子だよね?なお達付き合ってんの?」

と聞いた。

「いやいや違う笑あいつ他の女子達に好きな人いる。って言ってるとこ見たことあるし、、ちょっとショックだったけど」

しょぼんとする尚輝を見て、ほんと分かりやすい奴だな、と思った。

いやでもその''好きな人''って絶対なおの事だろ…
そう思ったのは心の中にだけ留めておいた。

「あ、でもさ、僕弁当じゃないからいつもの購買行ってくる。今日こそメロンパンゲットしてくるから!」

「りょーかい!先に屋上行ってるから!」

尚輝はガッツポーズを見せて階段をかけ上った。
それに合わせて僕も尚輝にガッツポーズを見せ、階段をかけ下りた。
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