彼女は僕を見てくれない
「なおー!ごめんごめん!おまたせ!」

急いで屋上のドアを開けて尚輝の元へと駆け寄った。

「おせぇーぞー」

もぐもぐと食べ進める尚輝の隣に座り
焼きそばパンを口にした。

「あれ?今日も買えなかったんだ」

尚輝にそう言われ、

「実はさぁ…メロンパン取ったは取ったんだけど色々あって乃々華先輩に取られちゃってさ…まぁ僕が譲ったんだけど…」

とふてくされたように 焼きそばパンを睨みながら言った。

「は?!いやいや!!ちょっと待て待て待て!乃々華先輩?!お前!ののちゃん先輩と話したのかよ?!?!?!」

バッといきなり立ち上がって大声で尚輝が言ってきた。

「お前なぁ…!!なんで購買に俺を連れていかなったんだ!」

「いやお前が先に屋上に行ったんだろ…」

「そうだけどさぁ…」

「あ、ゆいちゃん」

屋上から校庭を眺めるようにして
指さした。

「は?!え?!どこ?!」

「嘘。」

べーと舌を出してイタズラ気味に笑った。

「なお、お前ゆいちゃんのこと好きなんだろ」

「は、はぁ?!ちげぇし!!」

顔を真っ赤にしながらも焦ったように否定してくる尚輝を見て笑った。

中学生男子かよ…

でもそんな尚輝の反応を見て、さっきのモヤモヤとした感じは取れて晴れた。
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