放課後の音楽室で
「俺も行こうか?」
ちょっと緊張気味の佐久間に声をかける。コクっと頷いたのを確認して、俺は軽く佐久間のお父さんに頭を下げて佐久間と一緒にリビングを出た。
佐久間のお母さんの部屋は、1階の突き当たりにあるらしく。長い廊下を歩いて向かう。
扉の前に着くと、佐久間は一度深呼吸をして扉をノックした。
「どうぞ」
凛とした声が響く。
よく考えたら初対面だもんな。なんか、俺も結構緊張してきた。
佐久間のお母さんはいかにも、社長っていう雰囲気で、スタイルもめちゃくちゃ良くて美人だった。
そして、結構若いよな…。
「…あら、あなたが…上田くんね」
「は、はい…。初めまして。上田圭介といいます」
優しく微笑むわけでもなく、じっと俺を見つめる佐久間のお母さんの視線が突き刺さる。
「…文乃さんとは、付き合ってるの?」
〝文乃さん〟という響きが、佐久間との距離を感じてしまう。
「はい。といっても、今日からですが…」
どこまで知ってるかわからないから、とりあえず全て正直に話す。
「そう。…ところで文乃さん」
「はい」
佐久間のお母さんは、デスクの上の大きな紙袋を手に取った。
そして、佐久間にゆっくりと近づくと、視線を逸らして、気まずそうに口を開いた。
「…これ、合格のお祝い」
えっ…
「…私に?」
佐久間も驚いて、紙袋とお母さんを交互に見る。
「…ええ。私の会社で4月に販売予定の新作のスーツ」
ちょっと緊張気味の佐久間に声をかける。コクっと頷いたのを確認して、俺は軽く佐久間のお父さんに頭を下げて佐久間と一緒にリビングを出た。
佐久間のお母さんの部屋は、1階の突き当たりにあるらしく。長い廊下を歩いて向かう。
扉の前に着くと、佐久間は一度深呼吸をして扉をノックした。
「どうぞ」
凛とした声が響く。
よく考えたら初対面だもんな。なんか、俺も結構緊張してきた。
佐久間のお母さんはいかにも、社長っていう雰囲気で、スタイルもめちゃくちゃ良くて美人だった。
そして、結構若いよな…。
「…あら、あなたが…上田くんね」
「は、はい…。初めまして。上田圭介といいます」
優しく微笑むわけでもなく、じっと俺を見つめる佐久間のお母さんの視線が突き刺さる。
「…文乃さんとは、付き合ってるの?」
〝文乃さん〟という響きが、佐久間との距離を感じてしまう。
「はい。といっても、今日からですが…」
どこまで知ってるかわからないから、とりあえず全て正直に話す。
「そう。…ところで文乃さん」
「はい」
佐久間のお母さんは、デスクの上の大きな紙袋を手に取った。
そして、佐久間にゆっくりと近づくと、視線を逸らして、気まずそうに口を開いた。
「…これ、合格のお祝い」
えっ…
「…私に?」
佐久間も驚いて、紙袋とお母さんを交互に見る。
「…ええ。私の会社で4月に販売予定の新作のスーツ」