放課後の音楽室で
第3章 帽子の香り
「おはようございます。文乃さん」
「おはようございます。新田さん。…この傷、目立つ…わよね?」
朝食の準備をしている新田さんに、身支度を終えた私は率直に尋ねる。
さっき鏡で全身を映したとき、頬の傷テープが目立つと感じたから。
新田さんは、少し動揺した様子を見せたけど、ちょっと考え込んで口を開いた。
「…正直に申し上げますと、やはり女の子が顔に貼っていると、どうしても気になってしまうかと…。今日はお車で学校までお送りします」
「…ありがとう」
やっぱりそうだよね。
いざ、学校へ行くってなるとこの傷は気にしないようにと思っても気にしてしまう。
私は席について、出来立ての朝食を口に運んだ。
ピンポーン
リビングにインターホンの音が響く。
こんなに朝早く、誰だろう。
フランスパンにかぶりついて、不思議に思っていると、
「あら、おはようございます。上田さん」
上…田…さん?
えっ
「上田くん?」
「ええ。ちょっと要件伺ってきますね」
「新田さん、私行く」
ナプキンで口を拭いて、急いで玄関を出る。途中までこちらに向かって歩いてきていた上田くんの元へと駆けつけて、上田くんの顔をじっと見た。
「おはようございます。新田さん。…この傷、目立つ…わよね?」
朝食の準備をしている新田さんに、身支度を終えた私は率直に尋ねる。
さっき鏡で全身を映したとき、頬の傷テープが目立つと感じたから。
新田さんは、少し動揺した様子を見せたけど、ちょっと考え込んで口を開いた。
「…正直に申し上げますと、やはり女の子が顔に貼っていると、どうしても気になってしまうかと…。今日はお車で学校までお送りします」
「…ありがとう」
やっぱりそうだよね。
いざ、学校へ行くってなるとこの傷は気にしないようにと思っても気にしてしまう。
私は席について、出来立ての朝食を口に運んだ。
ピンポーン
リビングにインターホンの音が響く。
こんなに朝早く、誰だろう。
フランスパンにかぶりついて、不思議に思っていると、
「あら、おはようございます。上田さん」
上…田…さん?
えっ
「上田くん?」
「ええ。ちょっと要件伺ってきますね」
「新田さん、私行く」
ナプキンで口を拭いて、急いで玄関を出る。途中までこちらに向かって歩いてきていた上田くんの元へと駆けつけて、上田くんの顔をじっと見た。