放課後の音楽室で
放課後、先輩達と校門で合流して、駅前のビルの地下にあるという練習場所に向かう。

「そういえば、自己紹介まだだったね。俺はドラム担当の間中」

間中先輩は、メッシュの入った髪の毛で、うちの学校では結構派手な方だと思う。

「ベース担当の菊池です」

菊池先輩は、すごく優等生タイプな見た目。

「私が、ギター兼ボーカルの村井よ」

村井先輩は、長いサラサラのロングヘアで、うっすら化粧をしているスタイル抜群の美人さん。

「えっと、佐久間文乃です、よろしくお願いします」

緊張しながらお辞儀をして顔を上げると、3人の優しい表情が目に入り、ホッと胸を撫で下ろす。

「さっそくだけど、佐久間さんに、ピアノ…というか、キーボードお願いしたいんだけど…いい?」

間中先輩が、壁に寄せられているキーボードを指差して聞いてきた。

「はい。あっ、でもどんな曲か最初に聴かせてもらえると助かります」

「オッケー。これ、キーボード用の楽譜。アレンジは任せるよ。俺たちで演奏するから聴いてみて」

先輩達はそう言うと、慣れた手つきで準備をしていく。

3人はお互いにアイコンタクトを取って、シーンと静まり返った空気を感じると、演奏を始めた。

すごい…。

先輩たちの奏でる音楽は、高校生の比じゃなくって、鳥肌が立つものだった。

なによりも、3人が楽しそうで、キラキラと輝いている。




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