放課後の音楽室で
「あっ、上田くん戻ってきた!」
教室に戻ると、クラスのみんながざわざわして待っていた。
「佐久間さんも来たら、みんなで打ち上げ行こう?」
打ち上げ?
俺の心境なんて知らないみんなは、ハイテンションで打ち上げに行く準備をしている。
「大貴の親のお店貸切にしてるんだって」
クラスメートの大貴の家は、焼肉屋さん。去年も同じクラスだったから、文化祭の打ち上げは大貴の家だった。
「了解」
そう言って、とりあえずスマホを手に取って家に夕飯はいらないことを連絡する。
「あっ、文乃〜!最高だったよ!」
教室に入ってきた佐久間に、怜さんは抱きついた。
他のみんなも、佐久間の演奏をべた褒めして、あっという間に囲まれる佐久間。
菊池先輩、フってきたんだよな…。
佐久間は今、どんな気持ちなんだろう。
本当は菊池先輩と付き合いたかったのかな。許嫁の件がなければ、菊池先輩のこと好きになってたのだろうか。
ふと、佐久間と目が合う。ドクンッと俺の心臓が鼓動する。
会話を終えてゆっくりと近づいてくる佐久間に、さっきのことが頭をよぎり、目を逸らしてしまった。
「…上田くん、さっき音楽室の前に来たでしょ」
「えっ」
固まる俺の手から、するりとミルクティーを抜き取った佐久間。
「足音…聞こえてた。上田くんの」
「足音…分かるの?」
教室に戻ると、クラスのみんながざわざわして待っていた。
「佐久間さんも来たら、みんなで打ち上げ行こう?」
打ち上げ?
俺の心境なんて知らないみんなは、ハイテンションで打ち上げに行く準備をしている。
「大貴の親のお店貸切にしてるんだって」
クラスメートの大貴の家は、焼肉屋さん。去年も同じクラスだったから、文化祭の打ち上げは大貴の家だった。
「了解」
そう言って、とりあえずスマホを手に取って家に夕飯はいらないことを連絡する。
「あっ、文乃〜!最高だったよ!」
教室に入ってきた佐久間に、怜さんは抱きついた。
他のみんなも、佐久間の演奏をべた褒めして、あっという間に囲まれる佐久間。
菊池先輩、フってきたんだよな…。
佐久間は今、どんな気持ちなんだろう。
本当は菊池先輩と付き合いたかったのかな。許嫁の件がなければ、菊池先輩のこと好きになってたのだろうか。
ふと、佐久間と目が合う。ドクンッと俺の心臓が鼓動する。
会話を終えてゆっくりと近づいてくる佐久間に、さっきのことが頭をよぎり、目を逸らしてしまった。
「…上田くん、さっき音楽室の前に来たでしょ」
「えっ」
固まる俺の手から、するりとミルクティーを抜き取った佐久間。
「足音…聞こえてた。上田くんの」
「足音…分かるの?」