放課後の音楽室で
「…結局、私、大人に頼ってばっかり…」
佐久間はココアの入ったカップを両手で包み込んで呟く。
佐久間の言いたいことはとてもよく分かる。俺だって、なんだかんだ言いながら、母さんに頼ってしまってるし…。
「…実際、まだ子どもなんだよ、俺ら…」
すごく中途半端な。
そう心の中で思いながら、キッチンペーパーの上に揚げ物を上げた。
「文乃ちゃん」
母さんが廊下から顔を出して、佐久間を呼ぶ。
「はい」
佐久間は慌てて立ち上がって、手招きする母さんの元へ向かった。
「新田さんがお話あるんですって」
子機を受け取った佐久間は母さんと入れ違って廊下へ出た。
「あら、いい揚げ具合」
フライの色を確認して、母さんはふふっと笑った。
「…佐久間ん家、大丈夫だった?」
「娘が出て行って、大丈夫なわけないでしょ」
「えっ」
フライをお皿に盛り付けながら即答した母さんの言葉にギョッとする。
「…でもね、文乃ちゃんのお父さんも、考えるきっかけになったみたいよ?」
「…本当?」
「事が、どう進むかは分からないけれどね。はい、盛り付けお願い」
母さんはそう言いながら、俺にポテトサラダの入ったボウルを渡して、今度は味噌汁を作り始めた。
佐久間はココアの入ったカップを両手で包み込んで呟く。
佐久間の言いたいことはとてもよく分かる。俺だって、なんだかんだ言いながら、母さんに頼ってしまってるし…。
「…実際、まだ子どもなんだよ、俺ら…」
すごく中途半端な。
そう心の中で思いながら、キッチンペーパーの上に揚げ物を上げた。
「文乃ちゃん」
母さんが廊下から顔を出して、佐久間を呼ぶ。
「はい」
佐久間は慌てて立ち上がって、手招きする母さんの元へ向かった。
「新田さんがお話あるんですって」
子機を受け取った佐久間は母さんと入れ違って廊下へ出た。
「あら、いい揚げ具合」
フライの色を確認して、母さんはふふっと笑った。
「…佐久間ん家、大丈夫だった?」
「娘が出て行って、大丈夫なわけないでしょ」
「えっ」
フライをお皿に盛り付けながら即答した母さんの言葉にギョッとする。
「…でもね、文乃ちゃんのお父さんも、考えるきっかけになったみたいよ?」
「…本当?」
「事が、どう進むかは分からないけれどね。はい、盛り付けお願い」
母さんはそう言いながら、俺にポテトサラダの入ったボウルを渡して、今度は味噌汁を作り始めた。