放課後の音楽室で
「もうすぐ閉館だから、帰ろう?」
上田くんは、ノートを閉じて問題集と重ねると、私に手渡した。
「うん」
私が受け取って返事をすると、上田くんはスポーツバックを肩に掛け直した。
「そういえば、これ」
そう言って、上田くんがポケットから出してきたのは、紙パックに入ったぶどうジュース。
「どうしたの?」
「今日、売店でジュースとパン買ったら、おばちゃんが一本おまけしてくれた」
「上田くんは、飲まないの?」
「うん。俺、スポーツドリンクあるから」
一緒に図書室を出て、昇降口で靴を履き替える。
「上田、まだ残ってたのか」
あっ…高梨先生だ…。
「は、はい。図書室寄ってたんで…」
「ああ、佐久間と一緒だったのか」
高梨先生は私に気がつくと、なぜか納得した様子で頷いた。
「日が長くなったとはいえ、暗くなる時刻だから、気をつけて帰るように」
「はい」
「佐久間、上田にちゃんと送り届けてもらうんだぞ」
「えっ…」
高梨先生がそうんなこと言うとは思わなかったから、心の声が漏れてしまった。
ほんのり顔が熱くなる。
「2人とも、また明日」
「はい、さようなら」
「さようなら」
先生は、ひらひらと手を振って、廊下を歩いていった。
上田くんは、ノートを閉じて問題集と重ねると、私に手渡した。
「うん」
私が受け取って返事をすると、上田くんはスポーツバックを肩に掛け直した。
「そういえば、これ」
そう言って、上田くんがポケットから出してきたのは、紙パックに入ったぶどうジュース。
「どうしたの?」
「今日、売店でジュースとパン買ったら、おばちゃんが一本おまけしてくれた」
「上田くんは、飲まないの?」
「うん。俺、スポーツドリンクあるから」
一緒に図書室を出て、昇降口で靴を履き替える。
「上田、まだ残ってたのか」
あっ…高梨先生だ…。
「は、はい。図書室寄ってたんで…」
「ああ、佐久間と一緒だったのか」
高梨先生は私に気がつくと、なぜか納得した様子で頷いた。
「日が長くなったとはいえ、暗くなる時刻だから、気をつけて帰るように」
「はい」
「佐久間、上田にちゃんと送り届けてもらうんだぞ」
「えっ…」
高梨先生がそうんなこと言うとは思わなかったから、心の声が漏れてしまった。
ほんのり顔が熱くなる。
「2人とも、また明日」
「はい、さようなら」
「さようなら」
先生は、ひらひらと手を振って、廊下を歩いていった。