放課後の音楽室で
ブーッブーッ

俺のスマホにメッセージが届いて、画面を開く。

佐久間からだ…。

明日の夕方、空いてるかという内容だった。

夏休みから、塾に通い始めた佐久間は、一日中塾で勉強しているっていう話だった。

俺は、すぐに返信をしてスマホを閉じる。

夏休み入ってからは一度も会えてないから、かなり久しぶり。

なんか、緊張するな…。

「…好きな子から?」

「な、なんで?」

兄ちゃんの言葉に動揺して、ちょっと声が裏返った。そんな俺に兄ちゃんは苦笑い。

「修二、そっとしておいてあげなさい」

流石の母さんも、呆れた様子で兄ちゃんを止めてくれた。

俺は、なんだか恥ずかしくなって、プリンとスプーンを持って自分の部屋に向かった。

気まずい。

ふーっと息を吐いてプリンをスプーンで掬って口へ運ぶ。

「うまっ」

キャラメルソースがちょっと苦目だけど、それがまたプリンの甘さを引き立てていて美味しい。

あんなやりとりあったけど、兄ちゃんには感謝だな。

そう思いながら、俺って単純だなって自分に呆れた。




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