押し倒して、鼻先にキス。
隣人はクズ男
最悪だ。
「へー、そんな偶然あるんだね」
「最悪だよもう…私ったらほんとどんだけ男運悪いの!!」
「でも顔は極上にいいよね。俳優みたい」
「顔はよくてもぜえっったいクズ男だよ!!!ごほっ」
やばい。力が入りすぎて変なところにラーメン入った!!
「クズ男って断定するのは早くない?」
そんな私にお水を差し出しながら、亜紀ちゃんが冷静な口調でそう言う。
仕事帰り。
今日は残業になってしまったので、亜紀ちゃんと近くのラーメン屋で夕飯を済ませている。
「いやクズ男っ…うごほっ!!」
「心瑚…わかったから、喋るのやめないと死ぬよ」