押し倒して、鼻先にキス。
「はぁ……」
亜紀ちゃんは、ブラックサンダーにかぶりつく私を呆れたように横目で見て。
「そろそろもっとマシな男選びなよ。ほんと、心瑚は男見る目なさすぎ!」
そう叱りながらも、お弁当箱の蓋の上におかずの唐揚げを一つのせて、ズイッと私の目の前に滑らした。
「亜紀ちゃ~~~~~ん」
「うわっなつくな暑苦しい!」
「そんなこと言ってほんとは優しいんだからぁ~~~」
私は知っている。亜紀ちゃんが王道のツンデレ属性だということを!!
「私、亜紀ちゃんがいればもう男なんてイラナイよ!一生亜紀ちゃんにくっついて生きていく!」
「いや一生寄生されるのはマジで勘弁」
「寄生って。言い方~!」
同期に恵まれたのはほんとにラッキーだったと思う。しかも今は同じ支店で、隣の窓口だし。
だけど…
なんで私はこうも、男運がないのだろうか…