誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
近づく距離

 酔っぱらって絡んだ日から一カ月が経過するが、悠希さんの態度が変わった気がする。

 翌日ひたすら謝った私に、『俺が飲ませたんだから気にするな』そう言ってくれた。しかし、私としては記憶が曖昧で、不安しかない。

 泣きながら自分の過去を話してしまったことはなんとなく覚えている。宮下で虐げられていたことも知られてしまったが、今のところ離婚をするとか、出て行けとは言われていない。

 それより、以前より一緒の時間を作ってくれるようになり、帰宅連絡などもくれるようになった。
 泣いてしまったことで、もしかしたら同情を誘ってしまったのかもしれない。本来悠希さんはとても優しい人だ。
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