誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ

「私、ずっと誰ともお付き合いしたことないんです。このまま人生が終わるのは嫌なんです」
 この気持ちは本当だ。もちろん誰でもいいなんて思っていない。でも、気持ちを伝えてしまえばきっと、悠希さんは私をそばにおいてくれないと思う。

 永遠にこの気持ちは隠していくから。

「抱いて下さい」

 きっぱりと言った私に、悠希さんは立ち上がってしまった。

「そんな風に自分を安売りするな。いつか愛する人ができた時にしろ」
 私の顔を見ることなく、悠希さんは立ち上がるとテラスへと行っしまった。

 ダメだったか……。こんな素敵な場所で浮かれて、身の程知らずなことを言ってしまったのだろう。
 私なんかに彼が魅力を感じるわけがない。こんな女らしくもない私。彼の周りにはハイレベルな女性ばかりいるはずだ。そんな人達ですら、彼の気持ちを得られなかったのに、私みたいな何ももっていない人間抱くことすら面倒なのかもしれない。
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