誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ

　泣きたくなるほど優しい彼に涙が零れそうになる。
　どんな人にもそんな熱の籠った瞳を向け、甘いセリフをささやいていたのだろう。飛び切り綺麗な女性たちを見てきたはずの悠希さんに、私はつい逃げ道を作るように口を開いた。

「女性らしくもないし、胸も大きくないし、楽しんでもらえるような身体じゃないですけど、今日はエステにもいかせてもらったし……」
　何を言っているのか自分でもわからない。褒められることにも慣れていないし、それ以前にこういったことが初めてなのだ。どうしていいかなんて全く分からない。
　
今の私はきっと全身真っ赤だと思う。それぐらい身体が熱くてしかたがない。羞恥心の中にも、大好きな人に触れられる喜び。こんな感覚が自分に合ったことに驚いてしまう。