誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
明らかになる事実と策略
あの、北海道から帰ってきた日から、気づけば三カ月が経ち、夏の暑い日差しは穏やかになり、過ごしやすい季節になった。
そんな中、一番の私たちの変化は、私は悠希さんの部屋で一緒に眠るようになった。抱き合った後、彼が呟いた謝罪の言葉が気にならないと言ったら噓になるが、少なからず、私と一緒に眠ることが嫌ではなく、求めてくれることに嬉しさが募る。
誰かと一緒に眠ることなど、もう数十年ぶりの私は、初めての朝、隣に眠る悠希さんを見て泣けてきたほどだ。
そんな私を悠希さんは、毎日抱きしめてくれる。
愛がない結婚とはいえ、幸せすぎて怖いぐらいだ。
今日も、悠希さんの寝顔をこっそり数分見た後、私は彼を起こさないように起きて、キッチンへと向かう。