誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ

　自分ではあまり気にしてはいなかったが、顔色が悪いだろうか？
　リップの色も特に変えていない。しかし、そう言われれば少し胸やけがするかもしれない。
　悠希さんに喜んで欲しいばかりに、夕食をたくさん作っているから、食べすぎているのかもしれない。
「本当に山岸先生って女の人をよく見てますよね。さすが彼女が三人いるって噂ですよね」
　桜木さんの言葉に、私はクスっと笑いながらも昨日の夕食を思い出していた。
「そんな言い方ないだろ？」
　ため息交じりに山岸先生と桜木さんがいつも通りの会話を繰り広げているのを、私笑いながらも見ていた。
「でも、天音ちゃん、本当に少し顔色悪いわよ？　慣れない仕事で疲れたのかしら？」