誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
　隣でそんなやりとりを見ていた友麻さんが、ジッと私の顔を見つめる。ほぼ毎日顔を合わせている彼女にまでそう言われてしまい、私は思い当たることを探す。

　もうすぐ生理がくるせいもあるかもしれない。そこまで考えたところで、ハッとカレンダーに目を向けて冷汗が零れ落ちそうになる。

　最近幸せで失念していたが、予定日はとっくに過ぎていた。元来私は不純になることはほとんどない人間だ。
　しかし、結婚やいろいろあって不純になっているだけかもしれない。
　もしかしたらを頭から追い出そうとするも、一度よぎった可能性が頭の中を駆け巡る。

　悠希さんはいつでもきちんと避妊をしてくれていた。会ったばかりの時も、『人を愛せない。子供なんてもっと必要がない』そう言っていたことを思い出す。
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