誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
 その言葉に心の中が冷たくなっていく。仕事をしてくれれば。結婚だって悠希さんにとっては仕事の一部だ。予想外の妊娠など決して歓迎されるわけもない。

 とりあえずはっきりとしなければ。もしかしたら検査薬が間違っているかもしれない。
 そう思うと、私は悠希さんの部屋からでて休憩室へと行くと、スマートフォンから少し離れた場所の産婦人科を予約した。

 なんとかその日の仕事を終え、私は数駅電車に乗り予約していた産婦人科へと向かう。
その病院はピンク色の可愛らしい外観の病院で、小さな赤ちゃんを連れた人や、お腹の大きな女性など明るい雰囲気だ。

 受付の女性に保険証などを提示すれば、問診票を渡された。
 “来院の理由“その文字にヒヤリとしてしまう。いくつかの選択肢から、妊娠の確認、その項目をチェックした。
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