誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
 別に悪いことなど何もしていないが、正直に話すなら今このタイミングで妊娠を伝えなければいけない。
 今の悠希さんからは、怒気が感じられて、とてもそれを言うような雰囲気ではない。

「ごめんなさい、少し買い物を」
 子供用品を見ていた私の苦し紛れの言い訳に、悠希さんは私全体を見た。

「何を買ったの?」
 いつもの仕事用のバッグ以外、私は何も手にしていない。病院へ行ってブラブラしていただけだ。

「それは……」
 どうしよう、何から伝えればいいのだろうか。そう思っていると、いきなり悠希さんにどんと壁に囲われた。
 そして、何も言葉もないまま、口をふさがれる。今までのようなキスではなく、何か罰するようなキスに私は驚いて目を見開く。
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