誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
「え? 大丈夫ですか?」
何が起きているかわからない看護師が、私たちの顔を交互に見る。
「あの、主人には私から連絡をします。いろいろご心配をおかけしました」
笑顔を作って言えば、看護師さんは怪訝そうな表情をしたが私がそう言っているのならと、しぶしぶ納得したようだった。
その後、先生に確認をしてもらい、私は悠希さんが仕事が終わる前に病院を後にした。
宮下の家の車に乗るのは、いつも連れ戻されるときだけだ。そんなことを思いながら、宗次さんの運転する車の後部座席から窓の外を見る。
悠希さん、大好きでした。絶対にこの子は守ります。ごめんなさい。それだけをずっと心の中でつぶやき続けた。