誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ

　どうして悠希さんがここに来たのかはわからない。しかし、彼が円花のいいなりなどなるはずがない。

「黙れ！　お前みたいな女と話したくなかっただけなのを気づかなかったのか」
「なっ！」
　いきなり発せられえたそのセリフに、ワナワナと円花の美しい顔が鬼のように変わっていく。

「あいにくだな。お前との結婚を了承しにきたわけがないだろう。天音を迎えに来ただけだ」
　私を迎えに来てくれたと言ってくれたことに驚きで目を見開く。しかし、あんな写真をマスコミに出すと言っていたことを知らないだろう。

「悠希さん、あの」
　そのことを伝えなければと、私が呼ぶ声は円花の声で消される。
「迎えに来た？　何のためによ」
「俺の妻だからだ！」
　その怒号にも似た悠希さんの怒りに満ちた迫力に、円花は一瞬怯むもすぐに声を発する。