誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ

「わしは知らん。勝手にこいつらがやったことだ。お前たちも勘当だ！」
「父さん！」
　かなり分が悪くなったことを理解したのか、切り捨てようとした祖父に叔父がその腕を取る。

「今度は俺も切り捨てるのか！　自分の罪を兄貴に擦り付けたのに！」
「え？」
　そこで私は驚きのあまり、手に持っていたバッグを落としたことすら気づかなかった。

「俺に命じたじゃないか、プロのハッカーまで雇って兄貴のパソコンに侵入したことを忘れたのかよ！」
　そこまで言うと叔父は力なく床に手を付きとうなだれた。

「それでお前は今の社長の地位を手にいてたんじゃないか！　お前だって同罪だろ」
　祖父も冷静ではなくなったように、言葉を投げ捨てる。

「嘘……パパ。そんな……」