誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
円花も叔母も信じられないものを見るように目が虚ろになり宙を彷徨う。
「父さん、もう諦めよう。兄貴だって死んでしまったんだぞ」
「うるさい! お前たちが、沢渡にうまく取り入らなかったからだろ! 沢渡の援助が受けられれば、まだ立て直せたはず……。いや、わしは何も知らん。息子たちが勝手にやっただけだ」
まだ往生際が悪く祖父は言い、叔父の手を払おうと杖を振り回した。
「父さん!!」
呆然と祖父や叔父のやり取りを見ていた私を、悠希さんが抱き寄せる。
「過去のこともきちんと捜査が入るだろう。ただ、今もう自白をしたようなものだけどな。天音のお父上は何もしていないよ」
ずっとそのことが心残りだった。父と母の名誉を守りたいと思っていた。まさかこんなことになるなんて。
「父さん、もう諦めよう。兄貴だって死んでしまったんだぞ」
「うるさい! お前たちが、沢渡にうまく取り入らなかったからだろ! 沢渡の援助が受けられれば、まだ立て直せたはず……。いや、わしは何も知らん。息子たちが勝手にやっただけだ」
まだ往生際が悪く祖父は言い、叔父の手を払おうと杖を振り回した。
「父さん!!」
呆然と祖父や叔父のやり取りを見ていた私を、悠希さんが抱き寄せる。
「過去のこともきちんと捜査が入るだろう。ただ、今もう自白をしたようなものだけどな。天音のお父上は何もしていないよ」
ずっとそのことが心残りだった。父と母の名誉を守りたいと思っていた。まさかこんなことになるなんて。