誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ
 この二年、茉子が産まれて初めてのことで慣れないこともたくさんあったが、悠希さんのご両親や、小林さんに助けてもらい、本当に恵まれていたと思う。

 こんな幸せになれる日が来るなんて、本当に昔の私は想像もしていなかった。
 たっぷり遊んで、夕飯もたくさん食べた茉子はコテンと眠ってしまった。

 大きなキングサイズのベッドに茉子を寝かせて、その寝顔をふたりで見つめる。

「かわいいね」
 茉子の髪を撫でた後、そういいながら悠希さんに視線を向ければ、熱を帯びたい瞳にドキッとする。

「天音」
 最近はママと呼ぶことの方が多かった悠希さん。名前を呼ぶとときはパパとママじゃない。そう言っていたことを思い出して、顔が赤くなる気がした。
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