誰も愛さないと言った冷徹御曹司は、懐妊妻に溢れる独占愛を注ぐ

「まだそんな風に照れるの本当にかわいいな」

 そう言うと、いきなり悠希さんは私をお姫様抱っこをする。

「すぐ揶揄うんだから」
 軽く睨みつけるも、「それも俺を煽るだけなの知ってるんだろ?」そう言って隣のベッドルームへと向かう。

 私だってパパとママだとは言え、たまにはこうして私のこともかわいがって欲しい。そう思うこともある。
 だから、こうしてストレートに求められることは嬉しい。しかし、なんとなく子供を産んでから自分から甘えたりすることが、少しいけないことをしている気持になることもある。

 それを悠希さんはわかっているようで、わざと甘いセリフを言いながら私の女の部分を引き出していく、
「悠希さん、ちょっと待って、シャワー浴びたい」
 ワンピースのファスナーをおろされていた私は、ワンピースを胸元で押さえながら彼にお願いをする。
< 323 / 331 >

この作品をシェア

pagetop