片恋慕夫婦〜お見合い婚でも愛してくれますか?〜
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家事を終えたあとは、夕方残していたSNSへの投稿作業を片づける。とは言っても、昼間にだいぶ終わらせていたので、投稿前の最終チェックをして時間を設定をするだけ。
ちなみに私が普段アップする投稿内容は大きく分けて三つ。一つ目は料理動画で、これは料理の一連の流れを数分の短い動画にまとめるものだ。最近では便利な動画編集ツールもたくさんあるが、この作業が一番重労働だったりする。
二つ目は、写真のみのレシピアップ。単純にレシピを上げる作業で動画よりは簡単に作業できるものの、写真の撮り方への妥協は許されず、一皿で何十枚も撮ることもあるほど。
そして、三つ目は企業や料理教室のPR案件と日常投稿。概ね、これが収益のメインとなっているが、あまり多く投稿してもフォロワーからの印象が良くないので、日常投稿と織り交ぜながら程よい回数を保っている。何度投稿しても塩梅が難しく、毎度投稿後は反応にヒヤヒヤさせられていた。
ゆるっと一日一更新のミッションをクリアし、お風呂から上がったころには、リビングで読書をしていた伊織さんも寝室へ向かったころだった。
「作業進んだ?」
「うん。今日は時間あったから、昼間動画も何本か撮れたの」
「休みの日までお疲れ様。少し働き過ぎてないか心配だけど」
「ありがとう。でも教室のほうはシフト減らしてもらってるから」
料理教室での仕事もあるため、毎日かかさず投稿することはできないが、休みの日にまとめて編集したものを小出しにアップするスタイルをとっている。