片恋慕夫婦〜お見合い婚でも愛してくれますか?〜
「それ白鷹さん確定でいいよ! だって、わざわざ緋真ちゃんの授業貸し切りにして受けてさ。ピアスだって、わざと伊織さんの鞄に入れて、緋真ちゃんに匂わせたとしか思えないよ……」
「やっぱりそうだよね……」
病院勤務だの好きな人が同じ病院の医者だのと、智美さんからは聞いてもない情報をたくさん聞かされた。それもこれも、私に伊織さんとの関係を匂わせるためだったのだろうか。
「ていうか、思い出した! 私もこの間授業で白鷹さん担当したんだけど、緋真ちゃんのこと聞かれたもん。どんな先生なんですか? って」
「えっ……それで?」
「もちろん、業務上で当たり障りのないことしか言ってないよ? 白鷹さん、緋真ちゃんのファンだって言ってたから、私もそこまで怪しんでなかったんだけど……そういうことか~……怖すぎるよ!」
郁ちゃんは自分のことのように震え上がる。どうして私のことを特定したのだろうと疑問に思ったけれど、郁ちゃんには「緋真ちゃんは有名人だから」と平然と返されてしまった。そんなことよりも、これからどう対処するべきか考えなくてはならないのに。
頭を悩ませていると、郁ちゃんも同じく何かを考え込んでいるよう。そして、難しい表情を浮かべながら口を開いた。
「でもさ、もし相手が白鷹さんってなると、ちょっと話は違ってくるかも」
「どういう意味?」
「あくまで憶測だけどね? 話を聞いてる感じ、白鷹さん余裕ないっていうか……。伊織さんに相手にしてもらえなくて、緋真ちゃんに嫌がらせしてるようにも思えてくるんだよな~。あからさますぎるし、そもそも伊織さんはそういう面倒なタイプに引っかからなさそうだし」
「まあたしかに、言われてみれば……」
伊織さんのことだから、万が一不倫していたとしても、絶対にバレないように上手くやりそうな気がする。彼はとても頭が良い人だから。
「やっぱりそうだよね……」
病院勤務だの好きな人が同じ病院の医者だのと、智美さんからは聞いてもない情報をたくさん聞かされた。それもこれも、私に伊織さんとの関係を匂わせるためだったのだろうか。
「ていうか、思い出した! 私もこの間授業で白鷹さん担当したんだけど、緋真ちゃんのこと聞かれたもん。どんな先生なんですか? って」
「えっ……それで?」
「もちろん、業務上で当たり障りのないことしか言ってないよ? 白鷹さん、緋真ちゃんのファンだって言ってたから、私もそこまで怪しんでなかったんだけど……そういうことか~……怖すぎるよ!」
郁ちゃんは自分のことのように震え上がる。どうして私のことを特定したのだろうと疑問に思ったけれど、郁ちゃんには「緋真ちゃんは有名人だから」と平然と返されてしまった。そんなことよりも、これからどう対処するべきか考えなくてはならないのに。
頭を悩ませていると、郁ちゃんも同じく何かを考え込んでいるよう。そして、難しい表情を浮かべながら口を開いた。
「でもさ、もし相手が白鷹さんってなると、ちょっと話は違ってくるかも」
「どういう意味?」
「あくまで憶測だけどね? 話を聞いてる感じ、白鷹さん余裕ないっていうか……。伊織さんに相手にしてもらえなくて、緋真ちゃんに嫌がらせしてるようにも思えてくるんだよな~。あからさますぎるし、そもそも伊織さんはそういう面倒なタイプに引っかからなさそうだし」
「まあたしかに、言われてみれば……」
伊織さんのことだから、万が一不倫していたとしても、絶対にバレないように上手くやりそうな気がする。彼はとても頭が良い人だから。