片恋慕夫婦〜お見合い婚でも愛してくれますか?〜
「緋真のことは責任を感じないようにって言われていたし、俺が医師になったところで緋真を救えるわけじゃないのはわかってた。それに、責任をとるならば職業はなんでもよかったんだ。冷静に考えれば父さんの会社を継いでいたほうが、もっと裕福な暮らしをさせてあげられていたはずだし」
「そんな……」
「だから……この間院長も言っていたけど、俺の原動力になった緋真には感謝してるんだ。ここまで何かに対して頑張ろうと決めて、努力をし続けたことは俺の人生で初めてのことで……そういう人間になれてよかったと思ってる」
ずっと、コンプレックスとして憎んできた火傷の痕。伊織さんとの過去を知ったあとは、彼を苦しめていたことに悩んだけれど、伊織さんの言葉に救われた気がした。
「もちろん、緋真自身に惹かれたのも本当。見た目だけじゃなくて、努力家なところも、人を思える優しいところも全部愛しいんだ。俺は緋真と夫婦になれて、心から幸せだよ」
「っ、私も……幸せだよ。仕事に誇りを持ってるところも、いつも真っ直ぐに気持ちを伝えてくれるところも、自分以外の誰かを優先させちゃうところも……全部好き……愛しいって思ってる」
はじめは、伊織さんの目を見張るほどの容姿と彼が纏う独特な空気に惹かれた。そして知れば知るほど、彼は内面までも魅力的な男性だった。何度も、自分には勿体ないと思うほど。
「それに……よく考えたら私も伊織さんがきっかけで、今好きなことができてるんだなって」
幼い頃に見た厨房での記憶は、おそらくこのホテルで伊織さんと一緒にいた時のものだ。辛い事故ではあったものの、過去は変わらないのだから、ポジティブにとらえたい。
「そんな……」
「だから……この間院長も言っていたけど、俺の原動力になった緋真には感謝してるんだ。ここまで何かに対して頑張ろうと決めて、努力をし続けたことは俺の人生で初めてのことで……そういう人間になれてよかったと思ってる」
ずっと、コンプレックスとして憎んできた火傷の痕。伊織さんとの過去を知ったあとは、彼を苦しめていたことに悩んだけれど、伊織さんの言葉に救われた気がした。
「もちろん、緋真自身に惹かれたのも本当。見た目だけじゃなくて、努力家なところも、人を思える優しいところも全部愛しいんだ。俺は緋真と夫婦になれて、心から幸せだよ」
「っ、私も……幸せだよ。仕事に誇りを持ってるところも、いつも真っ直ぐに気持ちを伝えてくれるところも、自分以外の誰かを優先させちゃうところも……全部好き……愛しいって思ってる」
はじめは、伊織さんの目を見張るほどの容姿と彼が纏う独特な空気に惹かれた。そして知れば知るほど、彼は内面までも魅力的な男性だった。何度も、自分には勿体ないと思うほど。
「それに……よく考えたら私も伊織さんがきっかけで、今好きなことができてるんだなって」
幼い頃に見た厨房での記憶は、おそらくこのホテルで伊織さんと一緒にいた時のものだ。辛い事故ではあったものの、過去は変わらないのだから、ポジティブにとらえたい。