西野先輩はかまいたい


立てた小指を揺らし

「約束したからね」と

ウインクを私に飛ばした西野先輩は


バレーボールを抱えたまま

体育館に入って行っちゃったん

だけど……



花壇に取り残された私はというと


脳内が大パニック。

全身が硬直状態。


マネキンと間違われても

おかしくないほど

ビシッと固まっている。




西野先輩

勝手に約束をしないでくださいよ!


わかっているんですか?


女子に大人気の先輩が

下級生のクラスに来たら


西野先輩を台風の目とした

女子達の輪が


何重にも出来上がっちゃうじゃ

ないですか!!

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