西野先輩はかまいたい


「俺には西野が無視されまくってて
 痛々しい時間が
 流れてるように見えたけどなぁ」


「これから極甘な時間になる
 はずだったんだから!
 ねぇ~、百合ちゃん」


ひぃあ?

極甘な時間って、何のことですか?



「ほらこの子
 全身で西野のこと
 拒否ってんじゃん」


「百合ちゃんは
 俺を拒否ってるんじゃないよね?

 筋肉ムキムキの
 マッキーが怖すぎて
 声が出なくなっただけだよね?」


「えっと……」


「西野!
 オマエはもっと、筋肉つけろ!」


「俺は、筋肉がつきにくい体質なの!」


「そんな細い体で
 破壊力がとんでもないスパイクを
 打つんだから。

 勝つために筋トレしまくってる
 俺の努力が、バカバカしくなるわ、
 ほんと……って。

 西野ワールドに引きずり込まれてる
 場合じゃなかったっけ。

 ほら、練習始めるぞ! 
 俺は先に戻ってるからな!」

< 5 / 65 >

この作品をシェア

pagetop