BODY BLOW ~Dr.剛の恋~
「宝は変わったね。強くなった気がする。君のおかげかな?」
穏やかな顔で俺を見る。
彼が『宝』と呼ぶたびに、胸が痛む。
これは、嫉妬なのか?
「彼女が苦労して自分で変わったんです。僕の力ではありません」
「そうかな」
用意された料理に箸をつけながら、彼が俺を見る。
ん?
「君たち、結婚する気?」
直球だな。
彼らしいと言えばそれまでだが。
「それは望んではいけないことと思っています」
一言で言って、グッとグラスを空ける。
「じゃあ、宝を自由にしてあげてよ」
真っ直ぐ俺を見る元旦那。
「それは、彼女が決めることです」
俺は、精一杯平常心を装った。
「それは、君の逃げだよ。医者の君ならば、宝じゃなくてももっと条件のいい結婚話なんて山ほどあるんだろうからね」
「はあ?」
思わず声に出てしまう。
「俺は本気です。今更、宝を手放す気はありません」
多少なりと装っていた表の顔を剥ぎ取って、俺は彼を睨んでしまった。
穏やかな顔で俺を見る。
彼が『宝』と呼ぶたびに、胸が痛む。
これは、嫉妬なのか?
「彼女が苦労して自分で変わったんです。僕の力ではありません」
「そうかな」
用意された料理に箸をつけながら、彼が俺を見る。
ん?
「君たち、結婚する気?」
直球だな。
彼らしいと言えばそれまでだが。
「それは望んではいけないことと思っています」
一言で言って、グッとグラスを空ける。
「じゃあ、宝を自由にしてあげてよ」
真っ直ぐ俺を見る元旦那。
「それは、彼女が決めることです」
俺は、精一杯平常心を装った。
「それは、君の逃げだよ。医者の君ならば、宝じゃなくてももっと条件のいい結婚話なんて山ほどあるんだろうからね」
「はあ?」
思わず声に出てしまう。
「俺は本気です。今更、宝を手放す気はありません」
多少なりと装っていた表の顔を剥ぎ取って、俺は彼を睨んでしまった。