BODY BLOW ~Dr.剛の恋~
宝×剛
午前1時30分。
俺は帰宅した。

カチャッ。
鍵を開け、静かに家に入っていく。

ん?
リビングのドア越しに灯りが漏れている。

宝、起きているんだろうか?

俺はそーっと、リビングのドアを開けた。

まず目に入ったのは、ソファーに座る宝。

服は病院で見たときのまま着替えてさえいない。
手にはグラスが握られ、テーブルの上には空き缶や空き瓶。
一体どれだけ飲んだんだ。
ビール。ワイン。日本酒。
まるで、家中のアルコールを集めたようだ。
そして、虚ろな目で壁を見つめる宝。

「何してるの?」
冷たく言った俺に、
「別に」
振り向きもせずに答える。

「飲んでるの?」
「悪い?」
挑戦的な言葉。

「お前・・・」
呆れながら宝に近づこうとした時、足下に転がる薬瓶に目がとまった。

「宝、何を飲んだ?」
駆け寄り両肩をつかむ。

「大丈夫。寝れなくて眠剤を飲んだだけ」

眠剤を飲んだだけだと?
一緒にこれだけの酒を飲めば自殺行為だ。

「何してるんだよ」
怒りにまかせて俺は宝を睨んだ。

しかし、宝は俺が眼中にないようで、振り向くことさえしない。
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