BODY BLOW ~Dr.剛の恋~
「ん?剛」
目覚めた宝が、俺すぐ隣で眠っていたを呼ぶ。

「おはよう」
「お、おはよう」
なんだかとても恥ずかしそうに、俺を見た。

昨夜のこともいくらかは覚えているのだろう。
普段冷静な宝にとっては、醜態でしかないはずだ。

「何か言うことは?」
意地悪く尋ねた俺に、顔を赤らめ目をそらしながら、
「ごめんなさい」
ボソッと呟いた?

「何が、ごめんなさいなの?」
追い打ちをかけるように、聞いてみた。

「迷惑をかけて・・・ごめんなさい」
小さな声で、答える宝。

「違うだろ」
背けようとした宝の顔を、俺に向かせた。

「悪いのは、お酒を飲み過ぎたこと。一緒に薬まで飲んで、まるで自殺行為だぞ」
少し説教気味に言う俺に、
「大げさね」
いつもの口調。

その言葉に、イラッとした。
いつもの俺なら軽く受け流しただろうが、今はできない。

バン。
宝の頭元の布団に強く手を突いた。

「剛!」
非難がましく、俺を睨む宝。

俺と宝の視線の先で、火花が散っていた。
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