年下男子の甘すぎる溺愛に困っています

同居生活

「お疲れ様です」


「お疲れさま~」

店長に挨拶をして、お店を出る



住宅街にある小さなカフェ



田舎から上京してきたばかりの頃、迷子になっていた私に、店長の奥さんの夏帆(かほ)さんが声をかけてくれた



それをきっかけに、常連になった私を今ではアルバイトとして雇ってくれている



今日は、まかないとして私の大好きなビーフシチューをいただいた



早く帰って食べたいな



そんな事を思いながら、家までの帰り道を歩く



最近見つけた車が通れないほどの、細い近道を通る



「もうすぐ家だぁ~お腹すいたな…」


家まであと少しの曲がり角を曲がった瞬間、何かを踏んでしまい、前のめりに転んでしまう


「いたたたっ」


踏んでしまった所を見ようと振り向くと


高校生ぐらいの男の子が、壁に寄りかかり足を伸ばして座っていた



「ごめんなさい、大丈夫ですか?」


慌てて謝ると、顔を上げた男の子は



「痛い…それ、よりも…お、なか、すいた…」


それだけ言うと、私の方に倒れ込む



「え?」


困惑したまま、固まっていると、耳元で寝息のような音が聞こえてくる



私が踏んでしまったのもあり、放って置くことができずに家まで運ぶ



私よりも20センチほど背の高い男の子を運ぶのはとても大変だった
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