年下男子の甘すぎる溺愛に困っています
いおりさんから遅くなるとメールが来てから連絡が無い


もう10時を過ぎる



場所が分かれば迎えに行けるのに



そんな事を考えていると


「ピンポーン」


インターホンの音がなり、急いで玄関へと向かう


「いおりさん?」


「こんばんは」

目の前には知らない男に抱えられているいおりさん


「どーも」

挨拶を返しながら、男からいおりさんを自分の方へと引き寄せ、抱き抱える


「君が例の高校生くん?」

俺の事知っている感じだ


もしかして、いおりさんの彼氏、とか、、?


胸がモヤっとするが、それよりも俺の腕の中で眠っているいおりさんが心配だ


「送って貰ったみたいで、ありがとうございます」


「いえいえ、いおりちゃん飲みすぎちゃってるから、水飲ませてあげてね」


それだけ言って手を振りながら去って行く


ドアを閉めると、静まり返った玄関にいおりさんの寝息が聞こえてくる



いおりさんを抱き抱えたまま靴を脱がせていると


「み、かげ、くん?」

耳元で呂律がまわっていない、いおりさんの声にドキッとする


「ごめん、起こした?」


「ううん」

俺の首に手を回しながら、首を振る


「いおりさん飲みすぎ」



「ご、めん、ね?」

ソファーにいおりさんを下ろす



「水取ってくるから座ってて」

いつも元気ないおりさんが今は静かに頷くだけ


「いおりさん飲める?」

俺の言葉に頷き、ゴクゴクと水を飲む


「み、かげくん、、あり、がとう」


「ん。もう寝た方がいいな。立てる?」


「だ、い、じょぶ」


そう言って、歩き出すけど足元がおぼつかない


もう、どんだけ飲んだんだよ


「ひゃっ」

見ていられず、抱っこしてベッドへと運ぶ


「ありが、とう」

俺を見上げるいおりさんは目がとろんとしていてまたドキッとする


布団をかけてあげると、すぐに眠ってしまった


「ねぇ、いおりさん…あの人とどんな関係?」





…って何言ってんだよ、俺


自分でも分からないモヤモヤを抱えたまま



「おやすみ」


それだけ言って静かに部屋のドアを閉めた
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