年下男子の甘すぎる溺愛に困っています

しばらくすると、リビングのドアが開く音がして、ドアの方を見ると


「…っあはは」


「笑うなよ」

少しムッとした表情をする男の子



「やっぱり私のサイズじゃ小さかったね」

目の前に立つ男の子は、小さめの体操服を着たような姿になっている


「ん。ふぁ〜。服も風呂もありがとう」


「大きめの買ってこようか？」


「大丈夫」

そう言って、私の隣へ腰を落ろす


「…っひゃ」

座る最中に、濡れている髪の毛の雫が私の肩へと落ちる


「濡れてる…ドライヤー持ってくるね」

眠たそうに目を擦りながら頷く男の子


お風呂場からドライヤーを持って戻ると


座ったまま寝ている


「濡れたままだと風邪ひくよー」


肩を揺らすけど、ゆっくりと目をあけては、すぐに閉じてしまう


「どうしよう…」


困った私は、寝ている彼の後ろに立ち、髪の毛を乾かす


気持ちよさそうに寝ている男の子を見ると、今日は泊めて良かったと心から思う


髪の毛を乾かし終わるともう時計が24時を指している


肩を揺すり、眠たそうな男の子の手を引きベットへと案内する


布団をかけてあげると、すぐに眠ってしまった


「おやすみなさい」

ドアを閉め、私はお風呂場へと向かう


お湯に浸かりながら今日の出来事を思い出す


「そういえば、名前も聞いてなかった…」

お湯に浮かぶアヒルを両手で掬う


「アヒルさん…あの男の子、帰る場所はあるのかな？」

いくら見つめても、アヒルからの返事なんてあるはずもなく、アヒルをまたお湯に浮かべる


しばらく考えても、答えは見つからない


お風呂からあがり、ソファーにクッションを置いて、タオルケットをかける



今日は寝て、明日聞いてみることにしよう


そう思いながら、目を閉じた