浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「あ、いや。言い方が悪かったかな。彼らも、仲が良すぎるところをぼくらに見せつけるのもいかがなものかと気を遣って、遅くまでウロウロしているだろう」
「あ、そこね。それは言えてるかも。だけど、それはそれでカルラの身が心配だわ。彼女、きれいでしょう?わたしに対しては辛辣だし厳しいけれど、わたし以外の人に対してはそうじゃないのよ。だから、アニバルに迫られでもしたらって想像すると……」
「クミ、そこは心配無用だよ。アニバルはそんな男じゃない。もちろん、二人が同意の上だったらそういうことになるかもしれない。それは、自然な流れだろう?だけど、嫌がる相手に強要したり無理やりしたり、なんてことはぜったいにない。彼は、そんな男じゃない。それとカルラだって自分が認め、欲しないかぎりはそういう雰囲気にもっていかないさ。そうでないかぎり、思わせぶりな態度はとらないし、素振りも見せない。彼女は、そういう点では強い人だと思うよ」

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