浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 彼は、どういう根拠でそう断言したのかしら。

 ずいぶんとわかったようなことを述べるのね。知ったかぶりかしら?

 それとも、経験上ってことかしら?

 だったら、相当遊んでいるってこと?

「すまない。知ったようなことを言ってしまった。きみにすれば、『何がわかるのよ』ってことになるよね。『無責任なことを言わないで』ってことにもなるよね。彼女はきみのお姉さん的存在だから、きみが心配するのはムリはない」
「いいのよ。謝らないで。あなたの言う通りだと思う。彼女もいい大人なんだから、自分で対処出来るし責任もとれる。わたしがとやかく言うことじゃないものね」

 視線を合わせたまま笑みを浮かべて見せたけど、思いのほかうまく出来なかった。

 ひきつった笑みにしか見えなかったかもしれない。

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