浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 ごめんなさい。平気で嘘をつくわたしを許して。でも、図書館の予約がつまっているのは事実よ。まぁ、本屋はどうか知らないけれど。だけど、流通も似たようなものに違いないわ。

「それは光栄だな。どんなファンに言われるより、ずっとずっとうれしいよ」

 ダメ。アレックス、そんなうれしそうな顔をしないで。

 罪悪感でうちのめされそうになる。

 元夫のセシリオ・グレンデスやグレンデス公爵家の人たちをだましたりごまかしたりするのは平気だった。だけど、アレックスに対してはめちゃくちゃ悪い気がする。いいえ。悪すぎるわ。

 だけど、まさか「まったく興味のないジャンルだわ」とか、「恋愛なんて書くようになったらおしまいよ」とか言えるわけがない。

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