浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 こうして冷静に元宮廷楽士セシリオのやってきていることをきいていると、とんでもない野郎(おとこ)であることに気がついた。

 そんなとんでもない奴のどこがいいのよ、とも。

 だけど、作中に出てくる彼は、また何か違うのよね。

 やっていることを箇条書きにすると、とんでもないことばかりしでかしている。だけど、それもストーリーとして展開することで、素敵な恋愛にかわるわけね。

 アレックスの手腕よね。才能のなせる業だわ。

「わかったわ。とりあえず、そうしておきましょう」
「って、やっぱりまだ信じてくれていないわけ?」
「だから、一応信じているわよ」
「なんだかモヤモヤするんだけど」
「気のせいよ。それで、あなた自身は?セシリオほどじゃなくっても、そこそこなんじゃないかしら」

 自分でもしつこいと思う。彼のことなんて関係ないのだから、プライベートを知る必要もない。

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