浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 ヤバいヤバい。この間は、不自然すぎるわよね。

 アレックス、ごめんね。

 真っ赤な顔で手をひっぱっている彼に、心の中で謝罪しておく。

 じゃあ根性入れて、いっちゃうわ。

 アレックスが何十度目かに手をひっぱってきたタイミングで、彼の胸に思いっきり飛び込んだ。ダイブしたといってもいいかもしれない。

「うわっ!」

 てへっ、力をいれすぎたかしら?

 アレックスがバランスを崩し、背中から長椅子に倒れこんだ。手をつかまれたままなので、わたしもひっぱられてしまう。

「いたたたた」

 アレックスがうめいている。

 気がついたら、長椅子の上で彼の上にのっかっていた。

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