浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 今日も快晴みたい。湖面はキラキラしている。

 いつもだったら一人で感動しながら走るけれど、今朝はロボとその感動を共有出来る。

「きれいでしょう」
「クーン」

 彼に話しかけつつ、お気に入りのコースを走った。

 そういえば、昨日は怪しげな連中に出会ったせいで途中で回れ右したんだっけ。

 湖の見える丘から森に入ったとき、はじめて昨日のことを思い出した。

 あの連中、あれからどうしたのかしら。

 もう二度と会うこともないでしょう。

 どこのだれとも知らない連中だけど、ずいぶんと失礼だったしいろんな意味でいやらしかった。

 ほんと、イヤな感じだったわ。

 そんなことをかんがえつつ、例の二股の分岐点の近くまでやって来た。

 曲がりくねっているこの道をすぎれば、木々の切れ間から分岐点が見える。

< 140 / 330 >

この作品をシェア

pagetop