浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

男たちが追いかけてくる!

「捕まえるぞ」
「おうっ」

 連中が怒鳴り声とともに、馬に飛び乗り拍車をかけたのがわかった。

「嘘っ!」

 はい、確定。連中、わたしを待っていて、わたしをどうにかしようとしているのよ。

 っていうか、これってめちゃくちゃヤバいじゃない。

「キュキュッ」

 ロボの鳴き声で、ハッとした。

 混乱している場合じゃない。とにかく逃げなきゃ。

「ロボ、心配しないで」

 立ち上がると何の根拠のない断言をし、駆けだした。

 パニクリまくってはいるけれど、道をたどらないだけの理性はかろうじて残っている。

 木々の間をジグザグに走り、茂みをジャンプし、とにかく走り続けた。

 うしろの方で馬蹄の響きがしているけれど、これだけ木々が密生していたり茂みが多いから、馬はは全速力で駆けることは難しい、はずである。

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