浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「もういい。おまえの家にいることはわかっているんだ。家に案内してもらうだけだ」
「イヤよ」

 ベレー帽の男に、すっきりきっぱりくっきり拒否した。

「だったら、体にきくまでだ」

 狩猟用の帽子をかぶっている一人が、いやらしい笑みを浮かべて脅してきた。

「いやらしいことをするつもりなのね」

「黒バラの葬送」シリーズでは、レディを脅したりすかしたりするシーンの多くが、悪者や悪漢にあんなことやこんなことをされ、心身ともに傷を負ってしまう。

「いやらしすぎるわ。どうせ、あんなことやこんなことをするつもりなんでしょう?」

 腰に手を当て、鼻を鳴らしてズバリ当ててみせた。

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