浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「え?これってロボなの?あのロボ?ちっちゃくて臆病な?ニワトリに追いかけられてキュキュキュキュッて鳴いていた?」
「やめよ。あれは、演技だ」

 そのとき、巨大モフモフがこちらへ振り返った。

 それはもう立派な立派なモフモフが、わたしを見下ろしている。

 金色に輝く毛並み、四本の太い足。それから、精悍な狼面。

 カッコいいーーーーーーっ!

 子どものときに読んだ、勇者とか王子様とか子ども向けの小説に出てくる魔獣みたい。自分が契約した(あるじ)に、いいようにこき使われたりするのよね。

「わたしは、聖獣だ。それに、人間(ひと)ごときにいいようにこき使われたりはせぬ」

 おっきなモフモフが言ってきた。

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