浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「だから、魔獣ではないと申しているであろうが」

 ロボってやっぱり可愛いいし素直よね。

 くるりと反転すると、駆けだした。

 ベレー帽の男の横を、瞬時にして通りすぎた。

「おーい、おーい、待ってくれー」

 ベレー帽の男の叫び声が背中にあたったような気がしたけれど、それもすぐにきこえなくなった。

 小説の表現では、「まるで天空を翔けているような」である。

 そんなロボの走りのお蔭で、あっという間に別荘に帰ることが出来たのであった。

「お嬢様、お嬢様、お帰りが遅かった……」

 気配を察知したのね。というよりかは、裏庭に放たれているニワトリたちの騒ぎをききつけたに違いない。

 台所にある裏口から、カユラがプリプリしながら出て来た。

 そして、目の前にいるものを認めた瞬間足を止めた。

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