浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「お待たせいたしました」

 カユラが、大きなトレイに紅茶のセットとクッキーをのせて戻ってきた。

 わたしが手伝おうとするよりもはやく、アニバルが無言のままセッティングを手伝いはじめた。

 それがまた自然な感じで、内心で驚いてしまった。

 そして、準備が整った。

 紅茶は、ベリーティーのようである。

 甘酸っぱい香りが鼻腔をくすぐり、手作りのジンジャークッキーのスパイシーかつ甘い香りが食欲をそそる。

 って、朝食を食べたばかりなのに?

 マズいわ。また前のようになってしまう。

 控えめにしておかないと。ワークアウトを増やした方がいいのかしらね。

 そんなことをかんがえながら、とりあえず紅茶をすすった。

 そして、全員がいっせいにお皿の上のジンジャークッキーに手を伸ばす。
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